CLASSICA第一世代ロゴ

 祝!通算訪問者数50万名突破! いつも見てくれてる皆様に感謝。で、このページでは「ウェブに歴史あり(笑)」ってことで、(1)初代以降の当CLASSICAのタイトル・ロゴをギャラリー化してしまおうなどという、まったくもって「手前味噌」なことをしつつ、(2)それだけではあんまりなのでCLASSICAが誕生した1995年夏以降の、当時のブラウザ&HTMLタグ事情を振り返りウェブ世界の激変ぶりに改めて思いを寄せるのだ(かなりウェブ制作者寄り)。ま、節目の機会でもなきゃ、こんな後ろ向きのこともできないので、許せ。

Ravel 1995
■ネスケ1.1Nの勝利


 さて、1995年の夏。この一番上にあるのが当サイト最初期のタイトル・ロゴ(今見るとちっともCOOLじゃないな)、右にあるのが挿絵として使っていたラヴェルの絵なのだ。当時の推奨ブラウザはNetscape1.1N。ブラウザの勢力地図は今よりちょっと複雑で、旧勢力のMosaicを新興のNetscapeが駆逐しつつあるところだったが、一方で様々なMosaicをベースとしたブラウザがリリースされていた(もちろんMicrosoftのブラウザなんてものはなかった)。最新のHTML技術というとテーブル・タグ(笑)って頃か。HTMLはレイアウトやデザインを指定するものというよりは文書の論理構造を指定するものであり、一方であまりにも視覚的に貧弱な表現しかできない時代でもあった。
 日本のウェブ界はまだ揺籃期にあり、ウェブを作ったら告知する場所はNTTの新着情報とJOYくらいしか見当たらないという状況(Yahoo Japanが誕生したのはずっと後)。なにしろ毎日どんな日本語ウェブページができたのかをNTTの新着情報で一つ一つチェックできたという記憶があるから、今から考えると信じられないほどサイト数が少なかったんである。
 CLASSICAは8月のある4日間で作られた。リンクを含めてほんの5、6ページがそのすべてであった。


1995/96
■Windows95とMSIE


 今と比べると表現力って点ではちょっと物足りなかったHTMLだが、CGIあるいはSSIといった手段で仕掛けを作ることは昔から可能。ってことで、SSIを使って(ありきたりだが)来訪者がある度にサイクリックにタイトル・ロゴを変えることにしてみた。そのヴァリエーションがこちら。

CLASSICA第一世代ロゴ
CLASSICA第一世代ロゴ
CLASSICA第一世代ロゴ

 95年というとウィンドウズ95が発売された年。MicrosoftのInternet ExplorerがWin95プリインストールマシンにバンドルされるってことで、Netscapeの優位が揺らぐかもしれない……なんて思ったんだが、そう簡単にはいかない。年が明けた96年の2月の時点で当サイトのアクセス・ログを分析してみた「ブラウザ人気度」をご覧あれ。Netscapeの89%に対して、MSIEはたったの1.8%。この圧倒的なシェアの差が、最近のCSJの調査によると逆転されてしまってるんだから、Microsoft恐るべし。
 そんなわけで、ウェブの作り手的には、見てくれてる方々がNetscapeの2.xを使っているのか、あるいは1.xを使っているのかが最大の関心事だったんである。特にフレームを使ったページを作る場合は、1.1xユーザーのために非フレーム化ページも合わせて作ってやる必要があった。


1996/97
■デザインのためのHTML


 96年の夏、CLASSICA一周年を迎えたところで、「何もかもセンター揃え」の古臭い表紙ページを一新、タイトル・ロゴも新たに作り直した。それが以下のパターン。相変わらずアクセスがある度にサイクリックに変わる方式。ページのレイアウトはテーブルを使って、左側の狭いエリアにインフォメーション的なメニューを、右側にメイン・コンテンツのメニューを並べるスタイル。

第2世代ロゴ
第2世代ロゴ
第2世代ロゴ
第2世代ロゴ
第2世代ロゴ

 96年から97年にかけて、ウェブの世界は爆発的に成長、同時にテーブル・タグやフォント・タグを駆使した視覚的に美しいサイトも増えてきた。HTMLタグはもはや文書の論理構造を示すものなどではなく、ウェブページをデザインするための言語となり、テーブル・タグは表を書くためのものというよりは、ページ・レイアウトを作るための必須タグとなっていた。
 Netscape3.0が登場して悩まされたのはテーブル・タグのバックグラウンド・カラーの指定。たとえば白バックのページに、黒い背景の1行だけのテーブルを置き、その中に白い文字を入れるといったようなことができるようになった。たとえば、こんな感じ。
どぼちょーん
 これは大変便利。ま、白と黒というのは極端にせよ、こういったコントラストのついた文字は見出しだの何だの使い勝手がいい。が、困ったことにネスケ2.x以前のユーザーにはこれはまったく見えない。テーブルの背景の黒の指定が効かないが、テーブル内の文字色が白という指定は効いているため、「白地に白の文字が置かれた」ことになってしまうため。そんなわけで、2.x以前のユーザーのために、強いコントラストを使わずに、もっぱら以下のような控え目な使い方に止まることになってしまった。
どぼちょーん
 最近の傾向としては、こんな風にテーブルの背景色指定が効かなくても中の文字が見えるような配色をするってのは、あんまり配慮されてないと思うので、まだネスケ2.xを使ってる方は最新のバージョンにアップデイトするのが吉。


1997/98
■もうMSIEを無視できない


 97年の8月に再び当サイトへのアクセス・ログを分析してブラウザのシェアを確かめてみた。その結果が「このブラウザが使われている!」。これにはちょっとびっくり。いつの間にか三人に一人以上の方がMSIEを使っているではないか。これまでは、Netscapeでちゃんと見えていればMSIEで少々おかしなところがあっても「まあ、いいか」と済ませることもできたんだが(笑)、そうも言ってられなくなってきた。互いに新たに投入する独自タグの違いよりも、むしろネスケ3.xとIE3.xで基本的なタグの解釈に微妙な違いがあることのほうが、問題としては大きかった。

 CLASSICAは2周年を迎えて、またも表紙デザインを刷新、タイトル・ロゴも新たなバージョンに。これが現在のバージョン。テーブル・タグをフルに使い、ネスケ3.x以降およびMSIE4.xユーザー向けにJava Scriptも使うようになった。




CLASSICA **/***/98 UPDATED
******visitors since 21/AUG/1995
■CLASSICAはクラシック音楽ファンのためのウェブジンです。
←ここにマウスを持ってくると、色が変わるのがJava Scriptを使った仕掛け(ネスケ3.x以上、MSIE4.x以上)。


 97年から98年にかけては企業のウェブサイトに本当に便利なものが増えてきた。単に読んでいておもしろいものだけではなく、各種のショッピングサイト、天気予報や地図、電車の乗換え案内、ホテル・航空券の予約、賃貸住宅情報等々の「使える」サイト。一方で初期に日本語ウェブを支えていた学生さんのサイトが次々とNot Found化していったのがちょっと寂しい。

 ブラウザはNetscape,MSIEともに3.xから4.xへ。2.x以前の古いバージョンが減ってきたこともあって、ワタシの感覚的にはフレーム、テーブルの背景色指定、Java Scriptは自由に使ってOK、対応の仕方がよく分からないのがスタイルシートといった位置付け。フォントの種類(書体)の指定は、(Windowsの場合)MSIEはOK、Netscapeだと4.xでも欧文フォントには効かないのが非常に悔しい。


1998/99
■HTML=文書構造タグへの回帰、スタイルシートの普及、か?


 さて、近く当サイトは3周年を迎えるわけなんだが、今回は表紙デザイン一新の予定はなし。マイナーチェンジのみの予定。
 で、HTMLを巡る状況としては、予想としてはこんな図式。まず、HTMLはフォントタグ等の将来的な廃止が公にされているように、レイアウト、デザインのためのものから、再び文書構造を示すためのものに回帰する。で、デザインはすべてスタイルシートを用いて表す、と。まあ、過渡期が結構長くなるかもしれないけど、これは一本筋が通ってる。スタイルシート非対応ブラウザとは視覚的な互換性は保てないが、文書構造に変わりはない。WWWのあり方としては正しいだろうし、美しい……。
 なーんてことが巷では言われてるようなんだが(笑)、果たしてどうなることやら。「新たな便利なタグ」ってのはだんだんみんなが使うようになるけど、「今までタグでやってきたことを止めてスタイルシートで表現しましょう」なんてことを言われても、そう誰でも素直に従おうって気にはならんと思うぞ。

 ブラウザはどうかというと、第8回CSJWWW利用者調査結果速報で先日発表されたように、ついにMSIEが過半数に達し、Netscapeを追い抜いてしまった。Windows98効果があらわれていない段階でこれなんだから、よほどのことがない限りNetscapeの逆転は困難か。
 むしろ99年はブラウザがどうとかタグがどうとかっていうことよりも、もうちょっと大きな枠での変化に期待すべきだって気もするなー。インフラ縛りでできなかったいろんなことが本格的に実現する、みたいな。(98/08/10)




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