音楽未来史、猛予想!
●当サイトの通算訪問者数100万名様突破を記念して、みなさまから大々的に募った「音楽未来史、猛予想!」、ついにここに公開!
●千年紀の終わりに考えた、音楽を巡る次なる100年の様相とは。音楽の世界はどう変わってゆくのか。自由に年号と事件を投稿していただきました。
●結構、みなさんネタがかぶってるところがおもしろかったりするのだ。 (00/01/11)


2000-2024 爛熟の果ての紛乱と退嬰
Y2K問題とともに幕を開けた新時代。しかしこの四半世紀は1900年代末の空気をそのまま反映したものにすぎない。小さな混乱が起き、ささやかな新技術が発見される。音楽は退屈な袋小路への道のりを歩むのか。人々は進むべき道を模索する。

年 号
事 件
お名前
2000
カリスマ指揮者のカルロス・クライバー、実は無免許で指揮していたことが判明。
白井彰
2000
2000年問題名門オケへの影響深刻!!
Y2Kの影響で、世界中の主要オーケストラの自主公演のチケット発券が混乱。ベルリン・フィルの定期公演も被害を受け、5月5日のアバドの「田園」にも開演時間で観客15人。怒り心頭のマエストロは指揮台にあがらず、演奏拒否。この事件がもとで、ラトルのBPOとの契約を早めると、事務当局が発表した。ラトル就任により団員の若返りが更に加熱。

ちゃんやま
2002
虚無主義音楽の台頭
世紀変わりのお祭り騒ぎも過ぎ、アメリカのバブル崩壊も手伝って虚無主義音楽がこのころより台頭。オケ全員が口をポカンと空けたまま楽器をまじまじ見ること74分、という奇曲も生まれる。

スカンジナビアの長い夜
2002
セルジュ・チェリビダッケの復活
七回忌を迎えたチェリビダッケが復活し、市販のCDは本人の許可を得ていない不法なものであると、レコード会社と息子を提訴。

Makropulos
2003
名盤発掘、DVDの普及
クライバー指揮スカラ座の「ボエーム」「オテロ」DGより発売。バーンスタイン・イン・タングルウッド・シリーズ発売開始(DG)。DVDの世帯普及率が80%に。

ロドルフォ・チェリビダッケ
2004
踊るaiboくんCDデビュ〜。
bee
2005
バーチャル・オペラ・ゲーム「オペラdeブラボー!」の海賊盤現る!
ストーリーから衣装・音楽まで、幾つかのチョイスを組み合わせて自作のオペラを作るゲーム「オペラdeブラボー!」がヒット中だが、ついに海賊盤「タケルdeBoo!」が出現。1ブラボーから最高20ブラボーまでの賞賛を勝ち取る「オペラdeブラボー!」に対し、「タケルdeBoo!」は、1Boo!以下、最低50Boo!までの趣味の悪さを競うアクの強さがオペラマニアに受けた。すでに「オペラdeブラボー!」を凌ぐ陰のヒットとの噂もあり、関係者は頭を悩ませている。

三軒茶屋道楽娘
2009
準メルクル、新国立劇場の音楽監督に就任!
MiMi
2015
指揮棒を振ると、演奏をするソフト「マイ・オーケストラ」発売
別売りの楽譜データを入力すると、自分の指揮、解釈でフルオケの音が聴けるヴァーチャル体験ソフト「マイ・オーケストラ」が発売される。意地悪な楽員も、聴衆のブーイングも現実そっくりの反応。演奏会批評アウトプット付。指揮科用の高級仕様「フィルハーモニー」もあり。自分の指揮に満足できる人がほとんどおらず販売不振。

山の作曲家、近藤浩平
2015
カルロス・クライバー(85)、ある朝ハタと思い立ち、余命を惜しんでバリバリ仕事を始める
……遅いっちゅーねん!

三軒茶屋道楽娘
2018
ヒトゲノムの中にモーツァルトの旋律が発見される。
上村貴
2018
株式相場の展開は名曲を解析すれば解る!!
1990年代前半、米の天才的投機家ビクター=ニーダーホッファーは株式相場の展開はベートーヴェンのピアノ・ソナタ『月光』などに類似していると、その著書で主張した。しかし、この説は経済学界はもとより、投機筋にも全く無視された。この説にヒントを得て、米の天才的投機家リッチー=ウェルシュは、株式相場の展開はクラシックの名曲数曲を関数と見たてたあるパラメータの範囲でカオス展開したものと等しいと主張。事実株式相場の展開は、彼の提唱と一致することになり注目を集めた。彼は、タイの通貨危機が起こり、ニーダーホッファーが破産した1997年に生まれた。幼い頃から音楽と投機に著しい才能を見せ、幼稚園時代の教諭によれば「モーツァルトとソロスを足して二で割った」とのことだった。9歳でジュリアード音楽院に入学、指揮・作曲・ピアノを専攻したが、この間混沌とする一方の株式相場に対する興味を押さえることができなかった。成績はトップであったにもかかわらず、教授と衝突を繰り返し、16歳で自主退学。その後、全世界を放浪しながら、投機および彼のいうところの投資理論の構築にいそしむ。彼を超破格の高級で雇い入れようと、世界中の金融機関(特に金融政策で遅れをとったという某J国の財務省および中央銀行)はやっきになっているのにもかかわらず、彼の所在をつかむのは困難である。

ニャンバティブ
2019
「コンマニ」、ゲーセンで大流行
「ビートマニア」に代わる新たなDJゲーム、「コンダクターマニア」(通称「コンマニ」)がゲームセンターにて大流行。ゲーセンに指揮棒片手のタキシード姿が溢れかえる。「コンダクターマニア」は、プレーヤーが指揮者となって、「ヴァーチャル・オーケストラ」を自分の感性と独断と偏見で引っ張って行く、超自己中心的ゲーム。曲によっては、2時間近くも振り続けなければならず、体力と根性も必要不可欠である。

ERIKO
2020
中国で五弦ヴァイオリン発明。
「五弦ヴァイオリン」が中国で発明され、主に下手の横好きアマチュアヴァイオリニストに絶賛される。構造は簡単、E線の右にH線が張られたもの。これで各種コンチェルトや、R.Strauss、Mahlerなどのハイポジションを酷使する曲もラクラク弾けるようになった。Innovation of the year受賞。推定出荷台数1000万台。

MK55のM
2020
「オーケストラ20型法」が制定される。
オーケストラ団員の雇用を促進するために「全ての管弦楽曲は弦楽器を20型で演奏しなければイエローカードを切られ、3枚溜まると演奏会停止」という法案が制定。20が重なる記念年2020年に制定された。爺公(自自公ではない)連立政権で可決されるも、演奏会場で「こんなブ厚いコ汚い音聴かせやがって!」と怒り狂った日本中の聴衆の決起により毎夜毎晩ホールにて「ブーイングの嵐」が吹き荒れ、爺公連立政権崩壊の原因となり同年に廃止された。アメリカの「禁酒法」と並ぶ愚法として有名。

デイリー高本


2025-2049 回帰せよ。高まる過去への関心
人々の情熱は過去を知ることに捧げられた。20世紀に活躍した巨匠たちがその健在ぶりを示し、開発された新技術も歴史的な作曲家、演奏家を追体験するために用いられることとなる。

年 号
事 件
お名前
2025
ウィーンで「コスプレ」割引
欧州の各劇場が深刻な観客減の中、頭を悩ませたウィーン国立歌劇場は、コスプレで来場の客を割引優待することに。この企画は、東京ドームの「ゆかたでプロ野球を見ると半額に」がヒントとなったもの。例えば、演目が「仮面舞踏会」の日は仮面着用、「道化師」の日はクラウンの姿で来場すれば割引となる。客席の洒落た演出に雰囲気が一層盛り上がると好評を博す。

モトネタはチャットでのお喋り
2025
ホログラム・コンサートの発明
ホログラムによってコンサ−ト像が再現可能になり、トスカニ−ニやホロビッツのコンサ−トもリアルに体験できるようになる。臨場感溢れるコンサ−トをお手軽に自宅で再現するべく技術革新を行う企業間競争が、大きな経済効果をもたらす、というオマケつき。

Irie
2028
シュトックハウゼン「老人の歌」初演。
白井彰
2030
遺伝情報音楽の発見
電子の ON/OFF により作動する量子コンピュータにより、個人の遺伝情報を音の列として取り出すことが可能となる。そして、抽出した遺伝情報から、QUANTUM-SUPER-MIDI などの音楽アプリケーションソフトにより、作曲するという新しい音楽が誕生。この遺伝情報音楽は、当初「もし自分の遺伝情報を音楽として表現したらどうなるか……」と、科学者・音楽者はもとより多くの人たちの無邪気な好奇心から生じたもの。しかし、密かに、「美しい遺伝情報音楽を聴く」ことを目的にした遺伝子組替えが横行し、生態系の破壊が懸念されている。

シュレ猫
2030
脳内音楽スキャンソフト開発
頭の中で考えたフレーズを、脳波を判断することにより具現化する装置(ソフトウェア)の開発に成功。以前から「鼻歌を楽譜化する」装置はあったが、今度のはポリフォニーも再現可能。

関 泰久
2030
カルロス・クライバー、30年ぶりに指揮台に
年齢を感じさせぬ若々しいMozart Sym.36とBrahms Sym.2で健在ぶりをアピール。

白井彰
2034
バッハ、クローンとして復活
遺伝子工学の発達により、J.S.バッハがクローンとして復活。同時にちりちりのかつらも再生してしまう。自分の頭をアフロへアーと勘違いしたバッハはDJに転身。名前もD.J.バッハと改名。

BEP
2040
3D立体像プレーヤー発売
3D立体像を再生する家庭用プレーヤーが発売。映像と音声は別人ないし合成された仮想人物が主流となり、ライブ演奏は衰微する。CD世代の老人達は「昔の演奏家は魂を込めて自ら演奏しているのに・・・」と嘆いても、後戻りは出来ないのであった。

顰眉閑人
2045
ソシオ・ベルリン・フィル伝説
ドイツ、空前の大不況。あおりを受けて、ベルリン・フィルが債務超過となり、活動停止。いわゆる「突然死」を迎える。驚いたベルリン市民や全世界のファンが、ソシオ制度によって再生を図り、翌46年、旧団員の1/3というミニ編成で「ソシオ・ベルリナー・フィルハーモニカー」が設立され、伝統あるベルリン・フィルは新たな歴史の幕を開けた。

みっちい


2050-2074 対立の構図。テクノ歴史派と自然未来派の闘争
前世紀まではイノヴェーションとは未知の領域への旅立ちを意味していた。しかしこの時代ではテクノロジーは常に過去を知るためのものと化してしまった。これらテクノ歴史派に対して異議を唱える自然未来派は、新ラッダイト主義を旗印に人間性の回復を目指す。

年 号
事 件
お名前
2050
MIDI音楽の発達により、最後のプロフェッショナル・オーケストラが世界から姿を消す。オーケストラは全てアマチュアに。
RELHAM
2051
アンドロイドで名歌手
情報解析能力の革新的な発達により、写真や映像、録音の解析から往年の名歌手をアンドロイドとして復活させ、オペラの舞台に立たせることが可能に。

カラス教徒
2054
反アンドロイド運動の激化
驚異的な活躍を繰り広げるアンドロイド化した過去の名歌手により、職を失った現役歌手達がアンドロイドの製造元数社に対して訴訟とデモ行進を行い、社会問題化。

カラス教徒
2058
現役指揮者最高齢の朝比奈隆、150歳記念バースデーコンサートを開く。
ぱぴ
2060
WHO、アリアを推奨
インタ−ネットの普及により登校、出社の必要がなくなり、コミュニケーションはパソコン上で行うために、先進諸国政府は人類の声帯の退化を懸念。WHOでは声帯健康保持基準値を決定。改善策としてアリアを推奨。一般家庭ではヴェルディの“女心の歌”や“乾杯の歌”が流行る。

Irie
2071
「歴史的事件・人物解凍装置」音楽家シリーズ発売
前年から一般家庭にも普及し始めた『歴史的事件・人物解凍装置』(市販の「歴史上事件」「歴史上人物」ファイルを解凍して、居ながらにして事件を再現したり人物に会えたりする装置)のために、「音楽史シリーズ」「音楽家シリーズ」がいよいよ登場。バッハやモーツァルトなど、約100人の作曲家や演奏家に会うことができ、作品や生涯について本人の口から聞けるというスグレもの。「音楽史シリーズ」ではバッハがライプツィヒの聖トマス教会でオルガンを弾くことができたり、「第9」の初演で耳が聞こえないベートーヴェンの指揮を見ることもできる。ただしファイルによっては「取り扱い要注意」の印が付けられているものもあるので(例:ストラヴィンスキー『春の祭典』初演ファイルでは、会場内の怒号と共にものが飛んできたり隣の客になぐられたりすることもある)、購入の際には年齢等を確認できる身分証明書の提示を求められる可能性もあるようだ。好評の場合は「音楽家シリーズ」の続編も予定されており、こちらはオットー・クレンペラー、パーシー・グレインジャーをはじめとする『奇人変人シリーズ(取り扱い要注意印付き・上級者向け)』という内容になる。

山尾敦史


2075-2100+ 闘争の終焉。20世紀崇拝、地球外生命体の発見
歴史派の隆盛により音楽の世界でも20世紀への共感がさらに高まる。高度に発達したテクノロジーはついに最終兵器ともいえるネコ型ロボットを開発。新ラッダイト主義者たちは地下に潜伏、地球外生命体の存在の徴に希望を見出す。

年 号
事 件
お名前
2075
「チャイコの小指」発売
ピアノ弾きだったチャイコフスキー独特の「五連譜」に悩まされていたすべての弦楽器奏者の為に「チャイコの小指」が発売。簡単に左手小指の右に装着することでポジション移動なく五連譜が弾けるようになる。プロ仕様「黄金の小指」も絶賛発売。こちらはプロオケ団員向けの耐久性を増したモデル。

MK55のM
2076
バイロイト開場200周年
英国人指揮者サー・ダニエル・ハーディングは、自らの生誕100年を、バイロイト開場200年記念の『ニーベルングの指環』プレミエ上演の指揮で祝った。カーテン・コールに現れたサー・ダニエルは3人目の妻で今年20歳になるバーバラを伴い、新婚ホヤホヤのお熱い仲を見せつけ、翌日開かれた記者会見では、翌77年のプレミエ上演となる『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の初日だけを振ると表明。さらに4年後の新演出となる『トリスタンとイゾルデ』についても交渉中であることを明らかにした。

BMW(べんべ)
2089
20世紀オーケストラ誕生(仮説その1)
指揮者ハービー・カラヤン(ヘルベルトの曾孫、NY生まれ)がベルリンで、カラヤン&ベルリン・フィルの音を理想に掲げる“20世紀オーケストラ”を結成。バロック楽器とモダン楽器の両刀使いのベルリン・フィルに対抗する20世紀オケはモダン楽器の専門家集団。カラヤン没後100周年を記念して。

山田治生
2089
20世紀オーケストラ(仮説その2)
20世紀オーケストラ設立。さまざまなサイバー管弦打楽器人間によるモダンオケに対抗し、四管弦五部の20世紀編成による演奏スタイル隆盛のきっかけとなる。

ナゾの編集人
2089
ウィーン・フィル、最後の男性奏者が定年にて退団。
三軒茶屋道楽娘
2089
宇宙人もサンバ好き
銀河の中心から地球に向けて降り注ぐパルスにサンバのリズムが発見され、「宇宙人もサンバ好き」が流行語に。

上村貴
2090
Y2.09K問題勃発
物質のデータ化が可能になった高度情報化日本では同年1月1日00:00、生活物資が一斉に音楽データに書き換わった。「クラ(シ)ッカー」と名乗る愉快犯によるコンピューターウィルスの投入が原因だが、容疑者は2065年に大往生を遂げている。一般家庭では、水道の蛇口、蛍光燈、ガス栓、冷蔵庫等から音楽を楽しむ姿が見られた。厚生省は明日、全国民の身体構造データの一部を変更し、音楽摂取による生命維持を可能としていく方針だ。

Nozz
2099
通算訪問者数一億名様突破
クラシカのアクセスが一億を超えてその記念企画として「音楽未来史、猛予想!2」と「音楽未来史、猛予想! 結局ホントにそうなったのか?」が管理人であるiioさんの曾孫によって行われる。

ごん
2099
パースト・リトリーバの発明
パースト・リトリーバ(一種のタイムマシン)完成。過去の再生が可能に。第1回の実験的公開ではベートーヴェンの第9の初演の模様が再生された。現時点では再生方式とフォーマットをめぐってソニー陣営と松下陣営のそれぞれが唱える方式が対立しており、一般への普及はまだまだ先になる見込。再生時のノイズと転送の途切れも解決の課題である。

Bemwero
2099
朝比奈翁、今日も元気だ、191歳
2101年春、タカシ・アサヒナ・オーケストラ(旧大阪フィル)と24回目のベートーヴェンチクルス・ワールドツアーを行うと発表。

三軒茶屋道楽娘
2100
ヴォイジャー1号に搭載されたレコードがこの数年以内に再生された形跡があるとジェット推進研究所が発表。
白井彰
2111
1000鍵ピアノのためのソナタ
韓国の作曲家 金ジョンが「1000鍵ピアノのためのソナタ」作曲。しかしこのためのピアノはいまだになかったため作曲家の死後出版されることにする

たいん
2112
ドラえもん誕生、ロボット工学の発達
ドラえもん誕生。テクノロジーの発達によりロボット歌手が大量生産され、生身の歌手が不要になる。それにともない声楽が千数百年の歴史を閉じるが、ゴーダと名乗る一族は歌うことをやめなかった。

nax


ご協力ありがとうございました。
次回は西暦2100年に開催予定! こちらもよろしくっ!


[HOME]