■気がついたらもう1999年かっ! なので、今年もmy disc of the year 1998を小発表! その辺に積みあがってる(たぶん)98年リリースのディスクの中から選んだお気に入りの数枚を。 |
(ジャケット写真orタイトルにリンクの張られたCDタイトルをクリックすると、オンラインショップamazon.co.jpで該当ディスクのサウンド・クリップ試聴(一部のタイトルを除く)とオーダーが可能です。
▼ラモー/オペラバレ「エベの祭典」 クリスティ/レザール・フロリサン
|
不況の影響とかいうのがあったのかどうかは分かんないんだけど、98年は自分的には冒険系/新規開拓系/マイナー系のCD購入が減って、既知系/安心系の買い物に落ち着きがちだったのだ。で、思いつくままに上げてみたのが左のようなラインナップ。
まずはラモーの「エベの祭典」から。これは楽しいっすよー。声楽避けがちなワタシとしてはどうもラモーは組曲盤で満足しがちで、そういう意味では「エベの祭典」にはやはり98年リリースのブリュッヘン/18世紀オーケストラ(Glossa)の組曲が出てたので、いつもだったらあれでOKとしちゃうところ。しかし至福の時間は長いほうが良いだろうという単純な理由でクリスティの全曲をゲット。曲的にエンタテインメント度高くて、すっ飛んじゃってるバカ系のノリもしっとりした抒情も両方味わえるのが吉。ホント、ラモーのバカノリってすばらしいっす。 続いておもしろさ最強のジンマンのベートーヴェン/交響曲シリーズ。いや、おもしろいよとは聞いてたんだが、これだけいいとはなー。「新ベーレンライター版による世界初録音とか言いながら、中身は結構やりたい放題やっててこりゃジンマン版だよ」なんつう巷のウワサを耳にしてたんだが、ま、版の特徴だのなんだのを別にしても十分聴く価値あり。原典主義でもなければベーレンライター版に裏付けられたオーソリティでもなく、表現意欲で新たなドキドキ感を与えようっつうところに価値あり。とりあえず3番&4番と5番&6番まで聴いたところなんだけど、イチオシは3番かなあ。スーパーなオケじゃないけど、これだけフツーじゃない解釈を実現したのは偉大かと。これでお値段が1枚1000円とか880円とか$4.64とかなんだから、コストパフォーマンス的にはぶっちぎりで史上最強のベートーヴェンか。 鍵盤モノではインマゼールのモーツァルト/ウィーン時代のソナタ集。フォルテピアノで弾いたモーツァルトのソナタで「これが好きだっ」ってのを今まで見つけられなかったんだが、ついに出たっつう感じっす。様式感よりドキドキ感。当然音響的にはおとなしいんだけど、音楽的にはとってもドラマティックなのだ。 モダン・ピアノで枯渇してるような気がするのはバッハ。あっと驚くような斬新な(しかもカッコいい)ディスクには出会えなかったが、伝統的なやり方でもいいものは生まれてくる。ってことで、ペライアのバッハ/イギリス組曲(1,3,6番)。ジミか。でも貴重、モダン・ピアノの新録音は。パキパキ系バッハじゃなくてシットリ系でも許せる方なら。すごくていねい。 ヘンデルの合奏協奏曲作品6には久々に有力全曲録音が。マンゼ/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(以下AAM)。同じ合奏協奏曲でも作品3のほうはいろいろ選択肢あるんだけど(CD1枚で収まるからか?)、作品6はなかなかやっかいで、定評のあるピノックもホグウッドもちょっと録音が古いかなとか(古楽器オケの10年は大きいよ)、全曲聴くには3枚必要だとか、ホグウッドのやつはオケがAAMじゃないとか、どうも自分でいちゃもん付けちゃって手が伸びない。しかしマンゼはエライ。2枚で全曲聴けるぞ(笑)。なんて経済的省スペース的な理由を別にしても、ホグウッドと違って、ちょっとやんちゃでシャープなマンゼ/AAMを聴けるのが嬉しいのだ。
オケものではアバド/ベルリン・フィルのプロコフィエフ/ロメオとジュリエットを。機能美だけでもいいじゃないか。あー、よく鳴ってて気持ちいいっていうプリミティブな感動に浸らせてもらったのだ。あとは何だろ、左には挙げなかったけど、サロネン/ロス・フィルのマーラー/3番とか、ムストネンのバッハ&ショスタコーヴィチ/プレリュードとフーガとか。なんかメジャーなもんばかり並んでしまって気恥ずかしいような気もするが、ま、数点だけ選ぶとそんなもんか。
(99/01/04) |